顕微新書 

書きたいことなんてないけど習慣だから毎日書いてます

兄について

 

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兄よ・・・。

 僕は昔から何事にも興味を示さず生きてきた。なにを始めるにも、なんかめんどくさい。小さいころからだし、今もそうだ。

 

 そんな僕とは対照的に、兄貴は何でも自分一人で始める。インターネットやらネトゲーやらギャルゲー(シスタープリンセスにどっぷりだった)やらを、小学生のうちから始めていた。映画も好きで、ネットから情報をあさり、B級映画なんかを好んで観ていた。僕はそんな兄貴のおこぼれにあずかっていたに過ぎない。兄貴が借りてきた映画を一緒に観て、兄貴が買ってきたゲームを兄貴が飽きたら僕がやり、兄貴のマネをして知らない人とスカイプをしたりしていた。

 

 兄貴は変人だ。顔は老けているし食べ物の好物も羊羹とか煎餅とかで老人くさい。変な趣味ばかり見つけては手を出して飽きてはパッと手放す。お菓子やジュースは隙あらば一瞬で空っぽにしてしまう。無精ひげで見た目おっさんなのに、クラスの女子を自分の部屋に連れてきたりしていた。無駄に正義感が強く、高校時代は不良から目を付けられていた。あと、どんな時でも寝つきが異様に早い。のび太君と張るくらい早い。

 

 でも僕は、そんな変人でサブカル野郎な兄貴に憧れを抱いていたのだと思う。兄貴は長男で僕は次男、男二人兄弟(姉もいるけど十二も歳が離れているのでどっちかというと親戚っぽい、ここでは置いておく)。もし仮に、兄貴がいなくて僕が長男だったら、いったい誰から遊び方を教わればよかったのか。いや違う、兄貴は遊び方なんて誰からも教わっていない。自分でおもしろいことを探して、自分で勝手に遊んでいたのだ。

 

 それは今も変わらない。結婚もせず、彼女もつくらず、安月給で悠々自適に遊んでいる。そんな兄貴を、僕は今もどこかで憧れている。