顕微新書 

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息子自慢の心理

 

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友だち自慢も一緒だよネ。


自分以外の人間を自慢する人がいる。例えば、自分の息子を自慢する人がいて「あいつは自慢の息子だよ」なんて言ったりする。これはどういった心境なのか、と考えたら、多くの場合が「怠慢」なのではないか、という結論になった。

 

 例えば、息子がテニスプレイヤー、父がコーチだとして、父の優れたコーチングやマネジメントの結果、息子が全国優勝を果たしたとなれば、「息子自慢」も悪くないと思う。

 

 ただ、多くの「息子自慢」は、「息子がこんな凄いことを成し遂げて、その父親は俺だ」と主張しているだけで、どのようにコーチング・マネジメントしているか、というプロセスの説明が抜け落ちている。つまり、「息子が凄いことを成し遂げた、じゃあ自慢しよう」という結果論的な自慢でしかない。息子の成果を褒め称えているようで、その実は「楽に自分を良く見せたい」という怠慢な心境なのである。

 

 これに似ているのが、口だけの上司が部下の成果をさも自分のもののように自慢して振舞う、というドラマでありがちなワンシーンだ。

 

 上司は、部下主導のプロジェクトに対して何もしない。助言さえない。「で、上司のあなたは何をしたの?」と質問されたとしても、答えることができない。でも、手っ取り早く自分をよく見せたいから自分にとっておあつらえ向きに用意された部下の成果を自慢する。「息子自慢」も、本質は変わらない。

 

 ここまで書いておいて言うのもなんだが、僕は実際に「息子自慢」をしている人を見たことがない。他人からこの手の話を聞く機会があって、この記事を書いた。僕が実際に聞くのは、話のながれから生じる、話のネタとしての「息子自慢っぽいもの」であり、ほっこりしていてむしろ好きだ。